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角膜再生医療

角膜再生医療

京都府立医科大学眼科では、難治性角結膜疾患の新規治療法として自家培養口腔粘膜上皮シート移植を開発、2002年に世界で初めて移植に成功した。初回からの全72例を対象としたレトロスペクティブ調査を行い、難治性角結膜疾患の中でも最重症の三疾患(重症熱・化学外傷、Stevens-Johnson症候群(SJS)、眼類天疱瘡)(下図)において、高度視覚障害の改善、予後の向上に有用であることが明らかとなった。とくにSJSにより慢性期に高度の視力障害を有する患者や、亜急性期に遷延性上皮欠損に陥った場合の上皮修復に有用である、(Ophthalmol, 2013、Acta Ophthalmologia, 2014変)。

これほど多数の重症疾患を対象に有効性が示された再生医療は、国際的にみても他にない。この結果をもとに多施設の臨床試験実施計画を策定、ヒト幹細胞臨床研究指針へ申請、2012年2月に承認を得た。さらに先進医療Bに申請、20013年7月に承認を得た。

現在は、厚生労働省 医療技術実用化総合研究事業として委託を受けて、京都府立医科大学および先端医療センター病院の二施設において、先進医療Bで自家培養口腔粘膜上皮シート移植を実施している。