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研究紹介
Stevens-Johnson症候群の病態解明ならびに発症予防に向けた研究
SJSとTENは少ない確率ではあるものの、誰にでも偶発的に発症する可能性のある重篤な疾患です。京都府立医科大学眼科では、眼合併症を伴うSJS/TENの発症しやすさに関する研究を行っています。
人には様々な体質が存在します。例えば、太りやすい体質の人や太りにくい体質の人、また、風邪をひきやすい人、風邪をひきにくい人、熱の出やすい人、熱の出にくい人など、人によりいろいろな体質が存在します。最近、この体質というのは、生命の設計図であるゲノムに存在する個人差により生じることがわかってきました。このゲノムに存在する個人差は何百カ所もあり、遺伝子多型と呼ばれます。この体質をつかさどる遺伝子多型は、ゲノムの個人差により生じるため、親から子に遺伝する遺伝子疾患とは異なります。
京都府立医大眼科にかかっている患者さんから、発症時のことを詳しく聞いた結果、約8割の患者さんが、先に風邪の症状を生じ、風邪薬をのむ、または、注射されて発症していました。しかし風邪薬や抗てんかん薬を飲んでも、すべての方がSJSやTENを発症するわけではありません。ごくわずかの方だけが、発症します(図1)。まだ、わずかなことしかわかっていませんが、SJS/TENを発症しやすい体質に関係する遺伝子多型が多く見つかることにより、個人個人の発症しやすさを予測することが可能となり、発症の予防ならびに早期診断につながります(図2)。薬剤と体質の関係がわかれば、すでに発症した方も、どの薬に注意すべきかがわかるのではないか、と考えて研究を行っています。
図1
図2