用語辞典

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「あ」から始まる用語

  • 医薬品機構

    正式名称は「独立行政法人医薬品医療機器総合機構」(PMDA)。2004年設立。医薬品の副作用や生物由来製品を介した感染など健康被害の救済=「健康被害救済」、医薬品や医療機器など品質・有効性・安全性における承認・指導・審査=「承認審査」、市販後の安全性に関する情報収集・分析・提供=「安全対策」の3つが事業の柱。国内および世界における健康や安全向上への貢献が主な目的。

  • 医薬品副作用被害救済制度

    病院・診療所での処方や薬局などで購入した医薬品を適正に使用したにもかかわらず、入院治療が必要なほど重い副作用が生じたときに、医療費などが国から給付される制度。治療内容・障害・死亡などの症状によって、医療費・障害年金・遺族年金など、額の異なる7種の給付がある。健康被害を受けた本人や遺族が、「医薬品医療機器総合機構」(PMDA)に対し、医師の診断書・投薬証明書・受診証明書を送付・申請する。

  • SJS患者会

    1999年東京歯科大学市川総合病院眼科教授坪田一男氏(現慶応義塾大学眼科教授)の指導により、小宮前代表の声かけで会員を募る。会員114人(2005年3月末現在)。目的は「全ての『スティーブンス・ジョンソン症候群』(SJS)患者が救済されるように」。主な活動は1980年度以前の発症患者の救済、同年度以降の発症患者で救済されていない人の救済、難治性疾患治療研究事業への格上げ、救済制度の周知徹底など。

  • NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)

    抗炎症・鎮痛・解熱などに作用する薬剤の総称。Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugsの略。ホルモン薬のステロイドを含まない抗炎症薬すべてを含む。疼痛(とうつう)や発熱治療に用いる解熱鎮痛薬と同義語。主な効果はリウマチ・頭痛・歯痛・外傷・発熱。病院で処方される主なNSAIDsにはアスピリン・ロキソプロフェンが、主な市販薬にはイブプロフェン、エテンザミドなどがある。

「か」から始まる用語

  • 眼脂

    目から出る分泌物。目やにの医療用語。結膜(白目の部分)などから分泌する粘液に涙から出る老廃物などが混じったもの。普段はまばたきで涙とともに流れるが、就寝時はまばたきしないため目やにが出やすい。原因は、体調変化・花粉・ほこり・空気環境・逆さまつ毛など。予防は、手で目をこすらない・手を洗うなど。多量やかゆみがひどければ、各種結膜炎や春季カタル(重いアレルギー性結膜炎)の可能性もある。眼分泌物とも。

  • 眼分泌物

    眼脂と同義語。

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  • 急性結膜炎

    白目とまぶたの裏側を覆う部分=結膜が炎症を起こす「結膜炎」のうち、急性的な炎症のこと。アデノウイルスに代表する「ウイルス性」、インフルエンザ菌に代表する「細菌性」、花粉やカビに代表する「アレルギー性」と原因によって大別。アレルギー性以外は人感染あり。結膜に出血が見られるため白目が赤くなるのが特徴。予防は手洗いや目に触れないこと。国内患者数約2,000万人。急性結膜炎が長く続く状態が「慢性結膜炎」。

  • 血漿交換方法

    血液中に含まれる赤血球や白血球といった血球など細胞以外の液体成分=血漿(けっしょう)だけを交換する治療法のこと。血漿中の病因や病態を悪化させる物質の除去のほか、必要な血漿を補う場合や、血中成分を除く方法がほかに見つからない場合などに行う。血液を特殊な装置にとおしてふるい分け、症状の原因となる有害物質を取り除き、体にとって有効な成分のみを再び体に戻す「単純血漿交換療法」などの療法がある。

  • 解熱消炎鎮痛薬

    頭痛・歯痛・生理痛など代表的な3つの痛みを和らげる薬。代表的な成分は、医療用として血栓を溶かす作用から心臓疾患の治療に欠かせない薬「アスピリン」、世界中の風邪薬の定番でとくに解熱効果の高い「アセトアミノフェン」、鎮痛・解熱・消炎作用のバランスがよく炎症にも効く「イブフロフェン」など。多くはカフェインが配合されていることに加え、多少胃に負担がかかるため、使用時は注意が必要。あくまで対症療法の薬。

  • 抗菌薬

    主に細菌感染によって引き起こされる感染症の治療を助ける薬。人工合成でつくられた化学物質や、青カビのような微生物からつくられた抗生物質の両者を含めた総称。主な効果は、細菌の増殖抑制や殺菌など。世界で初めて発見された「ペニシリン」など、抗菌薬には多くの種類がある。近年は、抗菌薬に対して抵抗力を持ってしまった「耐性菌」(たいせいきん)の出現が大きな問題となっている。

  • 抗けいれん薬

    主に発作を繰り返す脳の病気「てんかん」の治療に使う薬。発作の要因と考えられる脳の神経細胞の電気的興奮の抑制など、発作を抑える。脳全体(全般発作)、脳のある部分(部分発作)など、発作の分類・年齢・性別などを考慮して薬を選択する。てんかんは国内約100万人が悩む病気だが、直接原因による死亡例はまれ。薬による治療が主流で、約8割は発作が止まり、普通の人と変わらない生活を送っている。抗てんかん薬とも。

  • 抗生物質

    人工合成でつくられた化学物質、青カビのような微生物からつくられた化学物質の両者を含めた「抗菌薬」のうち、後者の化学物質を指す。ほかの微生物や生細胞の発育を阻害する効果のある「ペニシリン」の治療効果が確認されて以降、多くの物質が発見され医薬品などに用いられる。抗生剤、抗菌性物質とも。下痢などの副作用のほか、ほかの薬との併用や食品との食べ合わせによっては効果が薄れることもあるため、使用時は注意が必要。

  • 抗てんかん薬

    抗けいれん薬と同義語。

    →「抗けいれん薬」の説明へ移動

  • 高尿酸血症治療薬

    血液中の尿酸(古い細胞の残りかすや体内物質の燃えかす)の値が高い状態になってしまう「高尿酸血症」の治療に用いる薬。高尿酸血症が悪化すると関節炎が生じ、いわゆる「通風」となる。高尿酸血症の際は尿酸をコントロールする薬を、通風の際は炎症や痛みを和らげる薬を、それぞれ使用する。主な治療薬は、「ユリノーム」など尿酸の排泄を促進する薬、「ザイロリック」など尿酸の生成を抑制する薬と、2つのタイプに大別される。

  • 紅斑

    毛細血管拡張などで皮膚表面が赤くなる状態を指す。圧迫すると消えるのが特徴。皮膚に熱は持たないが、動脈拡張などの合併があれば熱を持つことも。種類は、下腿(かたい。ひざから足首部分)などに直径1cm以上の突起が発症する「結節性紅斑」、別名りんご病と呼ばれる「伝染性紅斑」、紅斑上に水泡がともなう「多型滲出性紅斑」など。感染症・ニキビ・アレルギー・マッサージ・日焼け・毛抜きなどが原因だが、不明な点も多い。

「さ」から始まる用語

  • 充血

    目においては、白目や白目とまぶたの裏側を覆う部分=結膜が、アレルギー・細菌・病気・けが・疲れ・コンタクトなどの影響で炎症し赤くなる状態を指す。白目やまぶたの裏側(結膜充血)、眼球前面の茶目を覆う透明な膜=角膜の周囲(毛様充血)、結膜下の毛細血管破損(結膜下出血)と、充血部や症状により大別。目が赤くなる状態すべてが充血ではなく、多少の放置なら問題ないこともあるが、緊急処置を要す場合もあるので要注意。

  • 重症多形滲出性紅斑

    高熱や倦怠感をともない、発疹・やけどのような水ぶくれが全身の皮膚・口・目の粘膜に多発し、全身や局所の紅斑(こうはん)・水疱(すいほう)・眼球結膜の充血といった症状が発症する一連の病気。発熱や全身倦怠感などの全身症状も出現する。代表的なものに「スティーブンス・ジョンソン症候群」(SJS)や「中毒性表皮壊死症」(TEN)がある。

  • 重症薬疹

    薬は病気を治す一方で副作用の可能性もあり、内服や注射で生じる発疹=「薬疹」もその一例。薬疹には、軽いかゆみがともなう軽い症状から、「スティーブンス・ジョンソン症候群」(SJS)や「中毒性表皮壊死症」(TEN)のように、高熱・全身の皮膚や粘膜の発疹・内臓障害により命に危険を及ぼす症状まであり、とくに重い薬疹を重症薬疹という。

  • 小児慢性特定疾患治療研究事業

    長期治療で医療費が高額になってしまう小児がんのような子どもの慢性疾患に対し、児童の健全育成・疾患の治療方法の確立と普及・患者家庭における医療費の負担軽減になるよう、医療費の自己負担分を補助する事業。対象者は、8歳未満の児童。引き続き治療が必要と認められる場合は20歳未満まで助成延長ができる。対象疾患は、小児がんや慢性腎炎などを含む11疾患群・514疾病。実施主体は、都道府県・指定都市・中核市。

  • 視力障害

    視力・視野・色覚などの視機能が低下した状態を総称する「視覚」障害のうち、主に近視・遠視や調節機能の異常など視力が低下している状態を「視力」障害という。近年、視力改善の新しい治療として、本人の口腔粘膜から人工的に上皮シートを作成・移植する「自家培養口腔粘膜上皮移植」が開発。「スティーブンス・ジョンソン症候群」(SJS)や「中毒性表皮壊死症」(TEN)による高度視力障害などが適応疾患として承認された。

  • スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)

    高熱や倦怠感をともない、発疹・やけどのような水ぶくれが、全身の皮膚・口・目の粘膜に多発する病気。症状は、全身や局所の紅斑(こうはん)・水疱(すいほう)・眼球結膜の充血など。原因は、薬剤・ウイルス感染などだが不明点も多い。治療法は、原因となる薬の中止・発疹部の局所処置・感染防止・ステロイド全身投与・血漿(けっしょう)交換療法など。発症は、人口100万人で年間1~6人。死亡率は約2~3%。

  • ステロイドパルス療法

    副腎という臓器から作られる「ステロイド」は、体内の炎症などを抑制するためホルモン薬として治療に利用される。リウマチ熱などの膠原病(こうげんびょう)、急性期の消炎治療が必要な「スティーブンス・ジョンソン症候群」(SJS)や「中毒性表皮壊死症」(TEN)には、内服よりも高い効果のある「ステロイドパルス療法」が用いられる。だが、軽度な顔貌変化・体重増加から重度な高血糖・精神障害・感染症まで副作用もある。

  • 総合感冒薬

    かぜの諸症状の緩和や抑制をうながすための医薬品。いわゆるかぜ薬。総合感冒薬の多くは、熱を下げる働きのある成分・のどの痛みや炎症を抑える成分・せきや鼻水を抑える成分として、解熱鎮痛薬・鎮咳去痰薬・抗ヒスタミン剤などが複合されている。なお、市販の総合感冒薬に抗生物質は含まれない。近年その副作用として「スティーブンス・ジョンソン症候群」(SJS)といった重篤・死亡の症例が報告され、問題となっている。

「た」から始まる用語

  • 中毒性表皮壊死症(TEN)

    高熱や倦怠感をともない、発疹・やけどのような水ぶくれが、全身の皮膚・口・目の粘膜に多発する病気。症状は、全身や局所への紅斑(こうはん)・眼球結膜充血など。原因は、薬剤・ウイルス感染などだが不明点も多い。「スティーブンス・ジョンソン症候群」(SJS)の進展型で、皮膚剥離面積10%以下がSJS、それ以上がTEN。発症は、人口100万人で年間0.4~1.2人。死亡率は約20~30%。ライエル症候群とも。

  • 特定疾患医療費の助成制度

    原因不明や治療方法未確立により調査研究される疾患のうち、重症度が高く患者数が少ないため、公費負担がないと治療方法開発などが難しい疾患を対象にした助成制度。都道府県知事が医療機関を選定・委託。特定疾患治療研究事業対象の56疾患で医療を受け、保険診療時に自己負担のある者が対象。「スティーブンス・ジョンソン症候群」(SJS)や「中毒性表皮壊死症」(TEN)は、発症6ヵ月以内の急性期が難病として扱われる。

  • ドライアイ

    涙の分泌量が減る「量的な異常」、涙の質や能力が低下する「質的な異常」により、目の表面に異常が生じる病気。涙の病気といえる。原因は、高齢化・エアコン・PC・スマートフォン・コンタクトなど。国内患者約800~2,200万人。オフィスワーカーの3人に1人がドライアイという報告もある。「スティーブンス・ジョンソン症候群」(SJS)で目が侵された場合、後遺症として最重症のドライアイを起こすこともある。

「な」から始まる用語

  • 難病情報センター

    「スティーブンス・ジョンソン症候群」(SJS)や「中毒性表皮壊死症」(TEN)といった難病患者・家族に対し、療養の悩みや不安の解消、療養生活支援のため、厚生労働省の補助事業として、難病医学研究財団が行う情報センター。難病の啓発活動を主に、特定疾患調査研究事業の成果・最新医学情報・医療機関や相談機関に関する情報などを収集し、難病患者や関係者に情報提供するとともに、メール相談・職員研修なども行う。

「は」から始まる用語

  • びらん

    皮膚科分野におけるびらんとは、皮膚や粘膜の表皮・表層が欠損し、下部組織が露出した状態を指す。ただれ。びらんの損傷が深くなると「潰瘍」(かいよう)と呼ばれる。感染・圧迫・刺激・温度による水ぶくれの破裂といった皮膚の損傷のほか、熱傷やアトピー性皮膚炎などが原因で生じることも多い。「スティーブンス・ジョンソン症候群」(SJS)や「中毒性表皮壊死症」(TEN)は、びらんが多発する重篤な疾患として知られる。

  • 副腎皮質ステロイド内服

    副腎という臓器から作られる「ステロイド」は、体内の炎症などを抑制するためホルモン薬として治療に利用される。なかでも強い抗炎症作用と免疫抑制作用のある「副腎皮質ステロイド」は、内服薬や全身投与で用いられ、とくに内服での利用を「副腎皮質ステロイド内服」という。「スティーブンス・ジョンソン症候群」(SJS)や「中毒性表皮壊死症」(TEN)といった疾患には、これを全身投与する治療法が用いられることもある。

「ま」から始まる用語

  • マイコプラズマ感染

    肺炎の10~20%が原因となる病原体=「マイコプラズマ」による感染症。幼児~青年と免疫力の強い世代の方が気管支炎など重症になる例が多い。潜伏期間は2~3週間。発熱・頭痛・倦怠感から2~3日で強い咳が出るのが一般的。主な治療法は抗生物質。1984年と1988年以後に流行はないが、近年の細菌性肺炎の減少にともない、肺炎全体に占めるマイコプラズマ肺炎の割合は増加傾向で、小児科では高頻度の感染症の一つ。

「や」から始まる用語

  • 薬疹

    内服・注射・坐薬などの薬が体内に入ることで、皮膚や粘膜に発疹などが発症する病気の総称。検査やサプリメントなどでも発症することもあり、また肝臓や血液などに障害をもたらし、全身に症状が発症する例もある。主な原因は、アレルギー性だが非アレルギー性の例もある。発症期間は、薬の使用から数日~数ヵ月後とさまざま。治療法は、軽度なら原因となる薬の中止のみでも治癒するが、重度なら入院治療することもある。

「ら」から始まる用語